マルチタスクは効率的なのか
一点集中とマルチタスク、どちらのほうが勉強の効率は上がるのか。脳神経科学者のほとんどはわず「一点集中」と答えます。なぜなら、 脳はそもそもマルチタスクが苦手で、「人間は本質的にマルチタスクはできない」といったほうがいいくらいです。
マルチタスクをすると、脳内でストレスホルモンのコルチゾールが増えていきます。 ごく短い期間の集中力は上がるのですが、この状態が続くと脳へダメージを与え、機能が落ちてきたり、脳細胞が死滅したりしてしまいます。これは、新しい記憶がつくられにくくなったりと、学習においてマイナスに働くことが多いです。
マルチタスクは一見効率がよく思えますし、頭がよさそうに見えます。しかし、複数の科目などを同時並行でこなさなければいけないときは、一つ一つに集中して、終わらせてから次の学習に移る。といったように、「一点集中」を何回か繋げていくほうが効率がいいことが明らかになっています。
マルチタスクでは、英語から数学へ、数学から国語へ、国語から数学へ(以下エンドレス)へと行ったりきたりする点でとにかく効率が悪いです。まず英語を止めるのにエネルギーが必要ですし、英語から数学へ教材を出し直したりと切り替える時間、再度集中し直すためのタイムロスも生まれます。数学から国語に行くか、英語に戻るかという判断にも時間と労力がかかります。そして、切り替えが頻繁になるほど、例のストレスホルモンの分泌は増えていき、効率はさらに悪くなっていきます。
一方で、適度なマルチタスクは脳を鍛える効果もあることから、必要なのは計画性のあるマルチタスク。つまり【英語&数学&国語】を同時に進めるのではなく、いかに「一点集中×3」の【英語⇒数学⇒国語】で終わらせるかが重要なのです。いかに一点集中で1つずつ仕事を片付けていくかの計画をたて、労力を割り当てる。1日の学習の流れを確立させるといった工夫をしていきましょう。