世界でいちばん貧しい大統領
みなさん、こんにちは。富山駅前校の鮒池です。
今回もおすすめの映画を紹介します。
『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』(2020年日本)
「世界で最も貧しい大統領」と言われたウルグアイ大統領ホセ・ムヒカが2016年に来日した際の彼を追った取材を中心としたドキュメンタリー映画です。
ムヒカ大統領は、2012年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた国連会議で行なった感動的なスピーチが世界中に広まり、話題を呼びました。理路整然というわけではないですが、情熱に満ち溢れた話しぶりで、大量消費社会を批判する姿はとても印象深く記憶しています。自らは生活水準を上げることなく質素な暮らしをつづけ、映画の中にも彼の自宅の様子が見られますが、田舎の年季の入った家でごく普通の生活を送っています。映画の編集の関係でごく一部がとりあげられていただけでしょうが、日本人の大学生のあらゆる質問に、真摯に丁寧に答えておられました。一方で、スピーチの映像などからはまったく想像がつきませんが、ムヒカは若いころ武装組織に加入し、襲撃、誘拐などゲリラ活動にたずさわり、4度逮捕され、2度脱獄しています。
気持ちのこもったスピーチの熱量や消費社会に対する批判的な目など学ぶところは多いですが、自ら展開した意見を徹底して実行する点が素晴らしいと思います。若いころの自分の信念に基づいた過激な行動も世界に向けて発信したメッセージに対して質素な生活を送ることも有言実行することは、いかにムヒカが心の強い人物かを示していると思います。
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