十二人の怒れる男

 みなさん、こんにちは。富山駅前校の鮒池です。
 今回もおすすめの映画を紹介します。

 

 『十二人の怒れる男』(1957年アメリカ)

 

 アメリカの裁判所で殺人事件の裁判を12人の陪審員が審議する様子を描いた名作です。あっさりと有罪で決するかと思われた裁判が、全員一致が原則のため、1人の陪審員の無罪の主張により、審議することを余儀なくされます。みな、うんざりした様子で審議を続けますが、それぞれ個人的な事情が次々と明らかになり、そして、無罪を主張した陪審員の説得により、1人また1人と有罪から無罪に意見を変えていきます。

 

 ワンシチュエーションで対話のみで話が進行していくタイプで、好きな人は好きな映画でしょうか。1991年に日本で『12人の優しい日本人』というタイトルでリメイクされました。三谷幸喜さんの脚本で、ほのぼのと親近感がありながらも、本家とは違った展開を見せます。2008年にはロシアで『12人の怒れる男』というタイトルでリメイクされました。民族問題や偏見など社会派の要素が盛り込まれています。ちなみに、『十二人の死にたい子どもたち(2019年日本)』も話の進み方など影響を受けているように思います。

 

 学力の三要素の一つに「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」とあり、受験生がテーマに沿って意見交換し、一つの結論を導く、グループディスカッションが大学入試に取り入れられています。これらの映画を見て、大学入試のためになることはあまりないかもしれませんが、様々な背景をもった「多様な人々」が意見を一致させるのは大変だなとつくづく感じます。

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