デジモノ好きにはたまらない!CES2021紹介
皆さんはCESというイベントを知っているだろうか?
正式名称はConsumer Electronics Show、毎年1月にラスベガスで開催されている、世界最大規模の家電見本市である。初開催は1967年、実に50年以上の歴史があるイベントだ。
今では当たり前のように世界中で使われているHDDレコーダーやDVDなどもCESで発表され、爆発的に広がっていった。任天堂が世界的企業となるきっかけとなったファミリーコンピュータも、1985年にCESで発表されている。
昨年のCES2020ではVRや5G、完全コードレス化(電源ケーブルすらない)などが焦点となっており、トヨタからは、5G技術を使い完全オンラインでの自動運転や衝突防止技術や、無接点充電技術を道路に搭載することで充電しないで走行し続けられるスマートシティという街のコンセプトが発表されるなど、未来を感じさせる面白い製品や概念が多く出展されていた。
今年はコロナ禍のため、オンライン化されたヴァーチャル開催という形で実施された。例年ほど面白いモノは多くなかったが、その中でも目についたものを2つ紹介する。
1.ロール式スマホ
忍者が巻物を広げる様を想像させる素敵なデザインをしている。画面は大きいほうが便利だが、常に大きいと邪魔で仕方がない、そんな相反するニーズを共に叶える方法として、二つ折りできるスマホが先日発売された。ロール式というのは更に新しい発想だ。
折りたたみ式スマホは耐久性や価格の面でまだ難があるが、ここ最近ディスプレイ分野は技術革新が著しく、価格面や構造面でも大幅な改善がなされているとか。このロール式スマホも、発売は早ければ2021年中(つまり今年)だとか。これはすごい。
なお、私は当分様子見する予定だ。
2.スマートマスク
ゲーミングマスクと呼びたくなる見た目だがそれもそのはず、開発はゲーマー用の機器を多数製造し販売しているRazer。日本ではゲーマー仕様のやたらと感度が高いマウスやキーボードなどしか作っていないと思われている同社だが、アメリカ国内では既に通常のマスクも製造している。
マスクの素材は透明なプラスティックとシリコンで、フェイスガードのように口の動きが見えるようになっている。肝心の性能はN95、つまり医療現場で推奨されるレベルだ。
左右の怪しく光る部分にはマイクとスピーカー、そしてフィルターとファンが搭載されている。搭載されたマイクとスピーカーによって、装着者は外気と遮断されていながら明瞭な音声を外部に伝えることができるらしい。
このように、かなり面白い製品ではあるが、この見た目では定着は難しいかもしれない。
完全に私の趣味で2つの製品を紹介してしまったが、正直なところ今年のCESは例年ほどワクワクする製品やコンセプトの紹介はなかった。それは、コロナ禍が良くも悪くも世界を大きく変容させたことが原因ではないかと考えている。今まで各社が開発していたモノが、コロナ禍の中で求められているモノとずれていたため、一旦それらを凍結し、アフターコロナにおいて優位を得るためのモノを各社必死に開発しているのではないか。そのため、今年は準備期間が不足し比較的小粒な発表が多かったのだろう。
あなたは将来、どんな業界に身を置き、どのように生きていくだろうか。
世界規模の大企業でも、世相の影響を大きく受ける。自分がやりたいことではなく、世界に求められていることを提供しなければお金を稼ぐことはできない。
逆に言えば、世界に求められるモノを提供する側に回れば、大きな利益を得ることができる。今後どのようなモノが求められ、世界はどう変わっていくのか、それを予測するためには世界について知ろうとしてほしい。
別に堅苦しく考える必要はない。自分の好きなものに関する情報収集手段を得ること、そしてそれを一過性のものにしないことだ。
君の目の前にあるスマホという機械は、その気になれば世界の様々な情報を集めることができる魔法の箱だ。気になったことは積極的に検索し、知識を集めていこう。